「染色体転座」とは
染色体転座、という言葉を聞いたことがあるだろうか。細胞の中で染色体の一部が切断され、別の染色体にくっついてしまう状態をいう。
がんや白血病、流産を繰り返す習慣流産、不育症などの原因の一つとされていたが、これまでその仕組みは分からないままだった。
染色体転座が起きる仕組み
その染色体転座が起きる仕組みを、藤田保健衛生大の倉橋浩樹教授らの研究チームが突き止めた。
そもそも染色体のDNAは、4種類の塩基が連なった鎖が絡み合う「二重らせん」構造になっている。
その中で向かい合う2列の塩基の並び方が「しんぶんし」のように、逆さに読んでも同じ回文配列になっていると、その部分で二重らせんが緩み、誤ってつなぎ合わされ、DNAが十字架のような形になる。そして十字架型のDNAは修復酵素によって切断された後、誤ってつなぎ合わされ、染色体転座が生じるというのだ。
今回の発見は、3月12日付のイギリス科学誌ネイチャー・コミュニケーションズにて発表され、大きな話題となっている、
今や、不妊症や不育症は、社会問題となっている。今回の発見が、様々な病気の治療にとって、大きな一歩となることを、願わずにはいられない。

藤田保健衛生大学
http://www.fujita-hu.ac.jp/