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子宮内膜の特定分子濃度が高まることで胚の着床率が下がる

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子宮内膜の特定分子濃度が高まることで胚の着床率が下がる

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原因不明不妊症に対する新たな治療
10月16日、メルボルン大学の研究チームは、プレスリリースにて、子宮内膜のマイクロRNA-124-3p(miR-124-3p)分子が胚の着床において重要な役割を果たすと示した。

原因不明の女性不妊では子宮内膜にてマイクロRNA-124-3p分子が異常に増加し、胚が子宮内膜に接着できない状態になる可能性が明らかとなった。

それゆえ、子宮内膜のマイクロRNA-124-3p分子を減らすことによって、原因不明不妊症の体外受精成功率を向上できると期待される。なお、研究論文は「PNAS」に掲載されている。

分子
子宮内膜のマイクロRNA-124-3p濃度と胚の着床
胚の着床および妊娠成立には、子宮内膜受容能力が重要になる。胚が着床する前、子宮内膜は変化して胚を受け入れる環境を整える。これにより、子宮内に入った胚は子宮内膜と接着して、その後、子宮内膜に入り込み、着床できる。

一方、子宮内膜受容能力が低いと胚の着床は失敗し、不妊症を引き起こす要因となる。

今回、研究チームは、原因不明不妊症の女性のうち、着床の窓の時期(子宮内膜が胚を受け入れられる短い期間)に子宮内膜のマイクロRNA-124-3p分子が異常なほど高濃度で存在する女性がいることを認めた。

そこで、マウスを用いた動物モデル実験を行い、着床の窓の時期に子宮内膜のマイクロRNA-124-3p濃度を上昇させたところ、胚は子宮内膜に接着できず、着床は失敗に終わった。一方、原因不明不妊症の女性では、子宮内膜のマイクロRNA-124-3p濃度を下げることによって胚の接着率が向上したという。

研究チームは、マイクロRNA-124-3p分子が細胞の正常な機能を阻害し、胚の着床を妨げると推測する。子宮内膜のマイクロRNA-124-3pを標的とした治療は、原因不明不妊症に対する新たな治療法になると期待される。

(画像はプレスリリースより)


外部リンク

THE UNIVERSITY OF MELBOURNE
https://www.unimelb.edu.au/


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