早産を止める潜在的治療
コネチカット大学の研究チームは、「Reproductive Sciences」にて、身体の免疫システムを抑制することにより、早産(妊娠37週未満)を食い止められると発表した。
多くの場合、妊娠期間は40週である。妊娠37週未満で産まれた早産児は身体が小さく、温度調整や呼吸器が未熟である。脳内出血など脳をはじめ、他臓器に問題が生じやすい。また、長期に亘り、発達、認知機能に悪影響を与える。
早産と羊水のサイトカイン
研究チームは、早産を経験した女性を対象に羊水を分析したところ、大半の女性からサイトカイン(小さなタンパク質)を確認した。サイトカインは、身体に細菌やウイルスによる感染を知らせるために、炎症を生じさせる。
また、早産を経験した女性より採取した生殖器の細胞、羊水を生体外にてバクテリアにさらしたところ、顆粒球単球コロニー刺激因子(GM-CSF)の発現が確認できた。GM-CSFは、バクテリアによる感染症に反応して放出される。サイトカインの一種であり、細胞の分化を早め、バクテリアを食べるマクロファージへと変化させる。
免疫システムによる影響
研究チームは、妊娠期の女性において、マクロファージ群は分娩を促す傾向があると考え、抗炎症メカニズムにより妊娠継続が不可能になり、早産に至ると推測する。また、マウスを用いた実験では、危険なバクテリアに感染したマウスに投薬治療を施した場合、早産率が減少した。
しかしながら、今回の研究では、免疫システムの活性化と早産における直接的、あるいは間接的関係性は立証されず、明確なメカニズムの解明には至らなかった。
(画像はプレスリリースより)
UCONN
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